発達障害とは
発達障害は、生まれつきの脳の特性により、物事の感じ方や考え方、行動の仕方に偏りが生じる状態をいいます。
周囲からは「少し変わっている」「マイペース」と受け取られることもあり、幼少期には気づかれにくい場合もあります。成長とともに集団生活や対人関係の中で困りごとが目立ち、日常生活や学業・仕事に支障が出ることがあります。
大切なのは、「できないこと」に目を向けるのではなく、その方の特性を理解し、環境を整えていくことです。早めに気づき、適切なサポートを行うことで、安心して生活できる土台をつくることができます。
発達障害の主なタイプ
発達障害にはいくつかのタイプがあり、代表的なものに以下があります。
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- 注意欠如・多動症(ADHD)
- 学習障害(LD)
複数の特性をあわせもつこともあり、症状のあらわれ方や程度には大きな個人差があります。
自閉スペクトラム症(ASD)
対人関係やコミュニケーションの特徴、興味や行動の偏りがみられる状態です。
主な特徴
- 空気を読むことや暗黙のルールの理解が難しい
- 視線が合いにくい、または不自然に感じられる
- 一人で過ごすことを好む
- 特定の分野に強い関心をもつ
- 同じ手順や並び方などに強いこだわりがある
- 音や光、触感などに敏感、または鈍感
- 体の動きがぎこちないことがある
一方で、興味のある分野では高い集中力や優れた能力を発揮することもあります。
注意欠如・多動症(ADHD)
不注意、多動性、衝動性が特徴としてみられる状態です。
不注意の特徴
- ケアレスミスが多い
- 整理整頓が苦手
- 忘れ物や物の紛失が多い
- 長時間集中することが難しい
- 指示を最後まで聞き取れないことがある
多動性・衝動性の特徴
- 落ち着きなく体を動かす
- 長時間座っているのが難しい
- 順番を待つことが苦手
- 思ったことをすぐ口にしてしまう
年齢とともに多動性は目立たなくなることもありますが、不注意の傾向が続く場合があります。
発達障害の原因
発達障害は、脳の働きの特性によるものであり、「育て方」が原因ではありません。
遺伝的な要因や脳の発達過程に関わるさまざまな要素が影響すると考えられていますが、はっきりとした原因はまだ解明されていません。
保護者の方が「自分のせいではないか」と悩まれることがありますが、そのような心配は必要ありません。
治療・支援について
発達障害は病気というよりも「特性」として理解されることが多く、特性そのものを完全になくすことは難しいとされています。
しかし、適切な支援や環境調整によって、生活のしづらさを軽減することは可能です。
主な支援方法としては、
- 療育やソーシャルスキルトレーニング(対人スキルの練習)
- カウンセリング
- 環境調整(学校や職場との連携)
- 必要に応じた薬物療法
などがあります。
また、発達障害のある方は、うつ病や不安障害、適応障害などを併発することもあります。その場合は、併存症状に応じた治療もあわせて行います。
当院では、ご本人とご家族の思いに寄り添いながら、その方らしく生活できる方法を一緒に考えていきます。